夕方7時待ち合わせ。
ホテルのロビーで前で待ち合わせしました。
タケルさんは、綺麗な色のスーツを着てきました。印象的だったのは、少し伏せ目かちで現れたタケルさんの表情でした。
そこに、スーツと同色のタイが影を落としていて、タケルさんの周りだけ少し違った雰囲気だったので、私は一目でタケルさんとわかりました。
その時すでに、その時点で胸はドキドキと音を立てていました。
「裕子、待った?今日はどこ行こうか」
まるで何年も付き合ったかのような、タケルさんの台詞。私は、まるで何かのドラマの主人公にでもなったかのような錯覚を覚えて、すんなりと、タケルのペースに入っていけました。
「お腹すいてない?ご飯でもたべようか」
美味しくて綺麗な居酒屋があるんだって笑うタケルさんはまるで子供のようで、思わず笑ってしまいました。笑ったらなんだか緊張も解けて、それからは普通に話すことが出来ました。まるで本当の恋人のよう?いいえ、その時は本当にそう自分で信じられる時間が持てました。
毎晩残業で家と会社の往復だけの私だったから久しぶりに心から笑えて、お腹が痛くなるほどでした。タケルさんは、思いのほか不器用で、お箸からポロリと落す瞬間があったりしてなんだか手のかかる彼氏を持った気分まで味わうことができました。
その後はビールや日本酒を飲んで、私の愚痴もいやな顔ひとつせず聞いてくれ、励ましてもらったり。とても楽しい時間を過ごすことができました。
緊張しいの私をタケルさんは最初からわかっていたのでしょうか。それとも何度かお電話でお話したり、メールをした感じで感じ取ってくれたのでしょうか。
名前で呼び捨てにされた瞬間から私はタケルさんの恋人と演じきることが出来て、まるで夢のような数時間でした。
また、機会があれば今度はステイでタケルさんの寝顔が見たいと思いました。
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